こんにちは、ユキムラです!
クレーンについてこれから携わる方は、【定格荷重】と【吊り上げ荷重】の違いって分かりますか?
私も初めて勉強したときには、その違いが分かりませんでした。
そこで今回は、両者の違いについて初心者の方にも分かりやすいように、解説していきます。
両者の違いとは?
結論からいいますと両者の違いは、
【吊り具】の重さを含めるか、含めないかで変わります。
つまり、
- 定格荷重→荷物だけの重さ
- 吊り上げ荷重→荷物+吊り具の重さ
この違いだということを覚えましょう。
免許試験でもこの違いについて、出題されることがあります。
クレーンに表示されている荷重は?
それでは皆さんの職場にあるクレーンでは、どちらの荷重が表示されているのでしょうか?
答えは【定格荷重】です。
例えば天井クレーンを例に挙げると、クレーンの桁(クレーンガーダ)と呼ばれるところに、このような表示はありませんか?
これが定格荷重で、この表示されている重さまでの荷物を吊り上げることができます。
しかし限界寸前までの重さで吊ることは、クレーンや玉掛け用具に損傷を与える危険があるので、余裕を持った吊り方をするのが大切です。
作業者が気をつけること
それでは実際の作業で、作業者が気をつけることは何でしょうか?
3つのポイントに絞ってみました。
- 余裕を持った吊り方をする
- 巻上げ ・下げはゆっくり動かす
- 共吊り時には特に注意
余裕を持った吊り方をする
クレーンで吊り上げるときに、もっとも重要な事といってもいいでしょう。
特に【吊り具】は、荷物の重さによって受けるダメージが大きいです。
そのため、吊れる重さギリギリの吊り具を使用したりすると、吊り具が切断して荷物が落下する危険があります。
そのため【玉掛け技能講習】でも学ぶことですが、20%ほど重さを多く見積り、その重さに適した吊り具を選ぶようにしましょう。
巻上げ・下げはゆっくり動かす
次に重要な項目は、クレーン運転者の操作方法です。
そのなかで【巻上げ・下げ】の操作は、荷重と大きく関わりがあります。
特に次の2操作をするときには、必ずゆっくり動かすことが大切です。
- 巻上げ→荷物を地切りするとき
- 巻下げ→荷物下降を止めるとき
巻上げ
まずは【巻上げ】時の解説します。
特に注意が必要なのは、荷物を地面から持ち上げる瞬間【地切り】の作業をするときです。
このときは、荷物を吊り上げるワイヤーロープなどの【玉掛け用具】が弛んでる状態ですよね?
そこから、ワイヤーを張って地面から離れるときに強い荷重が掛かるんです。
この荷重を【衝撃荷重】といいます。
この荷重が強く掛かると、定格荷重以上の重さが、クレーン・玉掛け用具に強く働いて損傷しかねません。
そのため地切りする瞬間は、クレーンを一旦停止したあとにゆっくり地面から離すことで、衝撃荷重を少なくすることができます。
巻下げ
次に【巻下げ】時の注意点です。
こちらは荷物を下げている状態から、停止する瞬間に気をつけましょう。
荷物を下降しているときに急停止すると、巻上げ時と同じ【衝撃荷重】が掛かります。
特に荷物が重くなればなるほど、重力の影響もプラスされるため、ダメージも比例して大きくなるんです。
できるだけ衝撃が掛からないように考えることも、クレーン運転士には大切な使命です。
共吊り時には特に注意する
最後に、ちょっと変わった【共吊り】という作業をご紹介します。
私も前職で経験したことがある作業で、クレーンを複数台使って1つの荷物を吊る方法です。
このときの定格荷重は、先ほど解説した内容とは少し異なります。
例えば2台のクレーン(定格荷重はそれぞれ10t)を使用して、1つの荷物を吊るとしましょう。
このとき1台のクレーンでは、10tまでしか吊れませんが、2台使用すれば20tまで吊ることができます。
これが共吊りのメリットですが、基本はオペレーターも2人となるため、息を揃えながらクレーンを操作しなければなりません。
そのため、相手の操作するクセやタイミングを意識しながら、動かすようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
定格荷重と吊り上げ荷重の違いから解説しました。
しかし実際の作業では、それ以外の荷重も考えなければいけないことが、お分かりいただけたと思います。
重大事故にも繋がることがあるので、頭の片隅に入れながら作業していただけると幸いです。
それではこのあたりで!
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