【八王子城】北条氏照が最期の拠点とした東京の山城(居館編)

城と歴史

こんにちは、ユキムラです!

八王子城は北条氏照が築いた「山城」で、前回は戦いのための場所【要害地区】をご紹介しました。

そこで今回は、平時部に住居として山の麓にある【居館地区】をご紹介します。

(※本記事は現地案内板を参考にしました)

【八王子城】北条氏照が最期の拠点とした東京の山城(要害編)
小田原征伐前に築かれた北条氏照の城 山頂の【要害地区】は「3つの曲輪」で防御する鉄壁のシステムでした。

北条氏照って何者?

北条氏照は戦国時代【小田原北条氏】の3代目「北条氏康」の三男です。

武勇に優れた武将として活躍し、北条氏の領土拡大に貢献します。

当初は、関東の豪族「大石氏」との関係を強化するために養子となり【大石氏照】と名乗っていました。

そして大石氏の娘「比佐」を妻としています。

後に北条性へと戻し、4代目当主に兄の「氏政」が就任すると、協力して支えます。

しかし豊臣秀吉による【小田原征伐】がはじまると、氏照は徹底抗戦を唱えました。

そして「小田原城」に籠城しますが、後に北条氏は降伏します。

氏照はこの戦いを唱えた責任を取り、兄氏政と共に切腹、48歳の生涯を閉じました。

居館地区を攻める

それではさっそく、攻めていきましょう。

居館地区は、谷間の地形をうまく活かした曲輪となっていて、戦国時代の遺構が多数残っています。

居館地区への入口は【八王子城跡】の石碑があるので、ここから左手に進みます。

すると【古道・御主殿跡】の立て看板と、下へつづく階段があるので、降りていきましょう。

すると道が表れるので、真っ直ぐ進んでいきます。

途中には石橋があり、右側を見てみましょう。

すると大地を断ち切った【堀の跡】がありました。

この上は【アシダ曲輪】がありましたが、現在は私有地となっているため、許可なく立ち入ることができません。

道を少し進むと橋が見えてくるので、渡っていきましょう。

橋の下には【城山川(しろやまがわ)】という川があります。

【八王子城】「古道」と「大手門跡」付近を散策

このあたりは「遺構」があるので、動画でお楽しみください。

大手門跡

橋から左手に進み階段を登ると【大手門跡】に到着です。

戦国時代の大手道は、城山川の南側にあったらしく、この場所には城の入口である「大手門」が建っていました。

古道

大手門跡からは昔からある【古道】を進んでいきます。

少し進むと、橋が見えてきました。

そして、橋の下にも遺構があります。

それは、道を断ち切る【堀切】です。

当時はもっと深さがあったので、戦いの際には橋を落として、敵の進軍を少しでも遅らせる仕掛けだったと思います。

先に進みましょう。

古道は山の中腹に造られていますが、以外と平坦なので歩きやすかったです。

曳橋(ひきはし)

古道を進んでいくと、ひときわ大きな橋が見えてきました。

曳橋(ひきはし)】に到着です。

橋の先に【御主殿跡】があり、この橋が重要な役割を果たしていました。

戦闘が起きた場合は、この橋を落として敵の侵入を防げたみたいです。

小田原征伐の戦いで実際に落としたか、その真相は分かりません。

この仕組みは、氏照が前の本拠地としていた【滝山城】でもありました。

【滝山城】信玄の攻撃を防いだ「東京」にある戦国の城
武田信玄の大軍に攻められ、守り抜いた「土の城」 北条氏照が改修した鉄壁の【中世城郭】をご紹介します。

虎口と石垣

橋を渡りましょう。

目の前には「石垣」と「土塁」が見えてきました。

【八王子城】居館地区の石垣と御主殿跡

御主殿の入口までは「動画」で撮影したので、実際に攻める立場になって観てください。

石造りの階段と石垣は、織田信長が築いた「安土城」を参考にしたみたいですよ。

安土城は私も行ったことがありますが、確かに何となく似ている感じがしました。

御主殿跡

石段を登りきると、広いスペースが見えてきました。

この場所が【御主殿跡】で、北条氏照が日常に暮らした居館があったところです。

発掘調査のときに建物を支える「礎石」が見つかりました。

現在は遺構の保存のために埋め戻されていますが、発見された場所に別の石で表現されています。

御主殿の近くには【会所(かいしょ)】という建物もありました。

この場所は来客があった際、対応する場所だったみたいです。

床には「間取り」が再現されていて、なんとなくイメージが湧いてきますね。

ユキムラ
ユキムラ

御主殿と会所は、八王子城攻めの際に、燃やされてしまったみたいです。

御主殿の滝

御主殿のある場所から、城山川へ下りた先にあるのが【御主殿の滝】です。

私が行った時季は雨が少なかったので、水が流れず滝はありませんでした。

しかしこんなに穏やかなところですが、悲劇の場所でもあるんです。

八王子城攻めで御主殿を守っていた「北条軍」が、追い詰められたときに自害した場所と伝えられています。

そのなかには氏照の妻「比佐」と子供も含まれ、滝に身を投げたそうです。

ユキムラ
ユキムラ

城山川の水は3日3晩、血に染まったといわれています。

北条氏照と家臣の墓

次に【北条氏照・家臣の墓】をご紹介します。

氏照のお墓は「小田原城下」にもありますが、ここは家臣であった「中山家」が、氏照の100回忌の際に造られたものです。

お墓までは「約160段」ほどある階段を登ることになります。

気合いを入れて登りましょう。

氏照のお墓に着きました。

周りにあるのは、氏照の家臣が眠っているお墓です。

そっと手を合わせて、今回は終了することにしましょう。

アクセス

最後に、八王子城までの【アクセス】をご紹介します。

公共交通機関

まずは【公共交通機関】を使う場合です。

最寄り駅はJR中央線の【高尾駅】で、ここからバスに乗り換えます。

「高尾駅北口1番のりば」から【八王子城跡行】の直行バスが出ているので、とても便利です。(所要時間約10分)

ただし「土休日のみ運行」ですので、ご注意ください。

運行本数は1時間に1本です。

ユキムラ
ユキムラ

乗り遅れてしまったり、平日の場合は【霊園前・八王子城跡入口】から徒歩で行くこともできますよ!

次に【】でのアクセス方法です。

圏央道【八王子西IC】を下り、八王子西インターの信号を「右折」

しばらく走り、八王子城跡入口の信号を「右折」すると到着です。

50台ほど停められる「無料駐車場」があります。(利用可能時間9時~17時まで)

最後に

いかがでしたか?

東京に残る戦国時代の山城は、貴重な遺構が見られるスポットです。

居館地区・要害地区とも、見ごたえがあります。

八王子にお越しの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

それではこのあたりで!

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