秘境駅に行く!【行川アイランド駅】

秘境駅シリーズ

こんにちは、ユキムラです!

今回は秘境駅シリーズになります。

千葉県の外房線にある、

行川(なめがわ)アイランド駅

を訪れてきたので、ご紹介します。

観光地の駅から秘境駅へと激変した、現在の姿をお楽しみください。

行川アイランド駅とは?

Googleマップより

行川アイランド駅は、千葉駅~安房鴨川駅までを走る、JR外房(そとぼう)線の秘境駅です。

所在地は勝浦市になります。

元々この場所に駅はありませんでした。

しかしレジャー施設【行川アイランド】の最寄り駅として、1972年に臨時駅として開業します。

1987年からは常設駅となりました。

ユキムラ
ユキムラ

当時は、一部の特急列車も停車していて、多くの家族連れで賑わっていたことでしょう!

ところが行川アイランドは経営が悪化して、2001年に閉園してしまいます。

すると行川アイランド駅は、特急列車も通過となり観光駅から一転、秘境駅となりました。

近くの住宅地から、1㎞以上離れているのも一因かもしれませんね。

行川アイランドとは?

1964年に、南国を意識して開園した、動・植物園です。

他にもプールやホテルも備えた、レジャー施設でした。

フラミンゴやクジャクの飛行ショーが有名で、全盛期には年間117万人もの、入場者数を記録したこともあったみたいです。

しかし隣接する鴨川市に、大型海洋水族館の【鴨川シーワールド】が開園すると、次第に入場者数は減っていきます。

そして、2001年8月に閉園となりました。

駅に到着

ホーム入口付近から

さっそく、駅を見ていきましょう!

行川アイランド駅は無人駅で改札はなく、ホームから通路まで直結しています。

仲良く並ぶICカード精算機

ホームの入口には、ICカードをタッチする端末があり、【入場】【出場】で個別に分かれていました。

駅舎紹介

駅舎を見ていきましょう。

駅舎の内部

無人駅にしては以外と、キレイな駅舎になってます。

現在の駅舎は2008年に建てられた、比較的に新しいものです。

無人駅の必須設備【乗車駅証明書発行機】もありました。

この機械は発券ボタンを押すことで、

行川アイランド駅から乗りました

という証明書を発券してくれます。

この証明書を降りる駅で、見せることで精算する仕組みです。

【切符回収箱】も設置されているので、ICカードを持っていない方でも、安心して乗り降りできますよ。

近距離きっぷ運賃表です。

このタイプの運賃表は、千葉県のみ見ることができるので貴重ですよ!

西は【西船橋・二俣新町】、北は【佐倉】、東は【旭】の駅まで表示されていました。

秘境駅ならではの本数が少ない時刻表

時刻表です。

日中は上下線で1時間に1本ずつと、秘境駅ならではの本数ですね。

ホームを見る

ホームを見ていきましょう。

行川アイランド駅は、1面1線の単線にあります。

まずは駅舎付近から、上り【千葉方面】の眺めです。

ホームの端がわずかに湾曲しています。

つづいて下り【安房鴨川方面】の眺めです。

こちらは一直線になっていて、先端にはトンネルがあります。

意外にホームが長いと思いませんか?

実は行川アイランド駅、11両編成の列車まで停まることができるんです。

これも、観光地の駅だった名残といえますね。

トンネルに向かって歩いていきましょう。

この日は2月末でしたが、日差しが暖かく、ほのぼのした日和で最高でした。

駅に進入するE131系普通列車

ホームの途中で上り、上総一ノ宮(かずさいちのみや)行の列車が到着です。

2021年3月のダイヤ改正で、日中の列車はすべて2両編成のワンマン運転になりました。

長いホームを持て余してる状態です。

列車の発着動画もどうぞ!

行川アイランド駅を着発するE131系

ホームの中ほどにある、行川アイランドの駅名標です。

JR東日本の標準タイプですが、汚れがひどいですね。

トンネルに近づくにつれて、両側から

壁がせりだしてきます。

秘境具合がたまらないです。

端までやってきました。

ホームとトンネルの入口が、接していて面白いですね。

右端に写っている、◇に11の立て看板は、11両編成の停止位置(運転士用)です。

端から上りの千葉方面を見てみましょう。

ホームの長さが、一段とよく分かります。

右上のモニターは、ホーム監視(車掌用)のモニターです。

両数ごとの停止位置(車掌用)です。

特急列車が停車していた時代の、名残を発見できました。

せっかくなので、ホーム千葉寄りの先端にも行ってみましょう。

通過する特急わかしおE257系

歩いてる途中で、下りの【特急わかしお】が通過していきました。

行川アイランドが営業していたときに、停車していた特急列車です。

通過風景の動画もご覧ください。

行川アイランドを通過する【特急わかしお】

カーブのため速度は控えめですが、特急の通過は迫力があって楽しいです!

わかしお号の【乗車記事】も書いたので、気になる方はご覧ください。

千葉寄りのホーム先端までやってきました。

こちらは線路がカーブしているので、見通しが悪いです。

安房鴨川方面を見てみましょう。

こちらにもモニターがあります。

この位置に列車が停車すると、カーブの先は車掌が目視で見ることができません。

日中こそ、2両の短い列車なので必要ないですが、朝晩は8・10両といった長い列車が停車します。

このときに、モニターの力が発揮できるのです。

最後にアップした写真をどうぞ。

以上が、行川アイランド駅のご紹介でした!

行川アイランド跡を目指す

せっかくここまで来たので、行川アイランドがあった場所へ行ってみましょう!

ホームを出て左手に進むと、まっすぐ進む通路があるので、その先が行川アイランド跡です。

駅には駐車場もあり、車で来ることもできます。(駐車台数は3台ほど)

駅構内にはヤシの木が数本あり、南国を感じさせてくれます。

ふと右側を見ると、何かあったのでしょうか?

建物らしき痕跡が、後日調べてみるとただのトイレ跡でした。

さらに進んでいくと、こんなものがありました。

久しぶりに見た公衆電話

なつかしいですね、公衆電話です。

使う人いるのでしょうか?

枝が絡みついた怪しげなゲート

駅の入り口付近です。

なにやら怪しげなゲートが見えてきました。

実はこの付近には、行川アイランドが営業していたころ、列車の切符売り場がありました。

年季が入った勝浦市の案内図

ゲートの下には、勝浦市の観光案内図がありました。

左側の石像には、行川アイランド名物だったフラミンゴも描かれています。

影で見づらいので地図を拡大してみましょう。

確かに行川アイランドありますね。

駅の左側にある【おせんころがし】は後でご紹介します。

ゲートの反対側(駅の外から駅の中)を見た写真です。

右側にも何やら看板がありますね。

行川アイランド駅から、となりの安房小湊駅付近にある、【内浦山県民の森】へと向かうウォーキングコースでした。

距離は9.4キロと、なかなかボリュームがあるコースなので、私は遠慮することに。

先へ進みましょう!

歩道橋が見えてきました。

行川アイランドの入口につづく歩道橋なのですが、その近くに何かいます。

なんと【キョン】がいました。

かなり小さかったので、子どもだったと思います。

しかし私の存在に気づき、そそくさと草むらへ隠れてしまいました。

キョンとは?

キョンはシカの一種で、元々日本にはいなかった、特定外来種です。

Wikipediaより

なぜ千葉県にいるかというと、行川アイランドで飼育していたものが、逃げだして野生化したといわれています。

現在の千葉県には、4万頭以上生息していて、農作物の被害で大問題になっているのです。

ユキムラ
ユキムラ

行川アイランドは無くなりましたが、キョンは増えつづけるという、皮肉なことになってしまいました。

キョンに別れを告げ、歩道橋を登っていきましょう。

真ん中にスロープがあるので、チャリでも安心です。

上まで登ると

行川アイランドの入口が見えてきます。

真ん中を走る道路は、国道128号線です。

土曜日だったこともあり、なかなか多い交通量でした。

かつてのチケット売り場(左)とトイレ(右)

歩道橋からは、かつて駐車場だった敷地を見ることができます。

2つの建物がありました。

【チケット売り場】と【トイレ】です。

さらに右へ目を移すと、土砂崩れで埋まってしまってます。

まさに廃墟ですね。

歩道橋から降りてきました。

行川アイランドの入口と、無数のヤシの木が広がっています。

昔は広大な駐車場がありましたが、現在は閑散とした広場になっています。

かろうじてヤシの木だけが、楽園だった名残を感じさせてくれました。

敷地内はロープが張られ、私有地になっています。

中は立入禁止ですのでご注意ください。

ロープの先には道が続いていて、上り坂になっています。

坂の先にはトンネルがありました。

トンネルの奥が、行川アイランドの園内になりますが、立入禁止のため残念ながらここまでです。

最後にトンネルのアップ写真をどうぞ。

以上が行川アイランド跡のご紹介でした。

観光名所

最後にもう1つの名所【おせんころがし】をご紹介します。

ホームにあった名所案内
おせんころがしとは?

高さ20m、幅4kmある、断崖絶壁の名所です。

この場所には悲話があります。

その昔、豪族の1人娘【お仙】がいました。

お仙の父は日ごろから、村人を年貢で苦しめていて、お仙は心を痛めていたそうです。

しかし父は強欲で、見かねたお仙は説得しますが、聞き入れません。

ある日のこと、お仙は村人が父を殺害する計画を知ります。

夜になって村人が襲撃すると、お仙は父の服を着て身代わりとなり、この場所から夜の海へ投げ込まれてしまうのです。

知らなかった村人が悲しみ、この場所にお墓を建てて供養しました。

お仙の父はその後、心を入れかえたそうです。

そんな経緯がある【おせんころがし】は、行川アイランド駅から徒歩10分ほどです。

さっそく行ってみましょう!

まず、行川アイランド駅のとなりを走っている、国道128号線を鴨川方面へ進みます。

すぐにトンネルがあるので、トンネルへ入らず、左へ曲がります。

するとホテルの看板があり、その先で道が左右に分かますが、左へ行きましょう。

道の分かれ目には、【おせんころがし】の案内板もありました。

両サイドを山に囲まれた、細い道を進みます。

昔はこの道が街道だったらしく、断崖絶壁の【おせんころがし】は、要衝だったみたいです。

2~3分歩くと、お墓と外房の海が見えてきました。

【おせんころがし】に到着です。

こんなにキレイな、海を見ることができました。

ユキムラ
ユキムラ

下は崖になってますので、くれぐれもお気をつけください。

まとめ

いかがでしたか?

今回は秘境駅だけでなく、周辺も散策できたので楽しかったです。

近くまでお越しの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

それでは今回はこのあたりで!

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